あらすじ・各話
あなたも、あなたを愛する私も。
今この瞬間まで、実は存在していないとしたら。
全ての始まりが、思い始めた今だとしたら。
あなたの記憶も嘘だとしたら。
あなたが愛する私の記憶も、嘘だとしたら。
でも、その嘘があなたを愛する誰かの愛だとすれば。
でも、それはあなたにとって愛だろうか。
- ツヴァイセルの世界 -
未熟な人類が争いと沈黙を繰り返す世界、ツヴァイセル。
この世界で最大の国家を有するアルバンドラ王国は、更なる領地拡大を目指し各国へ侵攻を開始した。
日々激化するアルバンドラ王国軍の侵攻は大多数の命を奪い、次々に植民地化して行く。
そこへ一人の魔導士が、この凄惨な状況に置かれる弱者を保護する為に、世界救護団体ウェオーを設立すべく、アルバンドラ国王との交渉に赴いた。
魔導士の名はシ・ノヴァ。
世界最強と謳われる彼はその実力を以てして和平条約を結び、難民保護施設大聖堂の建設を開始した。
そこへ賛同する、シスター・イシェルハと剣士ドルドラ。
この三者の思惑はウェオーの立ち位置をやがて三者三様とし、その行き違いが世界に類を見ない恐怖へ陥れる事となる。
戦況はさらに激化しシ・ノヴァは罠に陥りその命を落としかけたその時、彼に囁く者が居た。
「まだ、千年の時は迎えておらず、諦める事なかれ」と。
ツヴァイセルの世界に伝わる神々の記録「原典」
それによれば、この世界は二神一体の神ツヴァイセルと7人の神官により産み出し見守られ、人類の繁栄の終着を腐敗とし、千年の後に世界を浄化する為に、創造主が現れると言う。
シ・ノヴァに囁くその声と、千年の言葉の意味を共に今紐解き始める。
「第一章 パスクァロード」
ツヴァイセル最大の国家アルバンドラ王国。
アルバンドラ王国軍の侵略から難民を保護すべく立ち上がったシ・ノヴァを取り巻く最初の物語。
タイトルのパスクァロードはツヴァイセル最南端に位置する、パスクァ連合諸島が
干潮時に道の様に繋がる事から、ロードの名が付きやがて別称として呼ばれる。
「第二章 ヴェルバークレイ」
それ自体が神とされる剣ヴェルバークレイを主軸にアルバンドラ国王と、養女ミリア・ハーゲンの間に繰り広げられる確執の物語。
剣士として反乱軍に身を置くミリア・ハーゲンは信念を持って突き進める戦いと共に、その与えた傷を自身で身をもって痛感する。
壮絶な痛みと共に、その信念は正気を保ちそれでも平和の為に戦うか。
「第三章 ネイベリート」
運命の悪戯により、対峙する事となった幼馴染のサンディオーネとシェロ。
二人は神から授かると言われる精神召喚魔法ネイベリートを操り、自身の思いを怒りに変え世界を恐怖に陥れて行く。
精神と魂を呼び出し贄とする召喚魔法ネイベリートは何故生まれたか、二人は命を落とすその時、身を以て知る事となる。
「第四章 トレンドラード」
シン・ブラン・ドルバで静かに時を刻む、神々の時計トレンドラード
この世界が出来た時に、七人の神官が大聖堂を作りこの世界の為に安置したとされる世界時計。そしてここから世界は生まれたと伝えられる。
近づく事も、触れる事も許されずにただ時を刻み続ける
その時計の謎が明かされだす時、シ・ノヴァと世界の生い立ちの真実が垣間見えだす。
ツヴァイセルの世界の謎に近づく物語。
「最終章 シン・ブラン・ドルバ」
世界は千年に近づき、トレンドラードは静かに終わりへの時を刻み続ける。
この場所で彼は気付くだろうか、約束を。
無限邂逅、生きる者全ての儚き思いはやがて世界の終末を迎える。
世界の始まり、闇に浮かぶ大聖堂。
そこより世界は生まれ、千年の時を歩み始めた。
始まりの場所の名はシン・ブラン・トルバ。
都度世界は生まれ、その世界を渡り歩く者が最後に下す決断は。