ツヴァイセルサーガ

オリジナル小説の掲載 ガチ適当更新 校正しながら

第一章 パスクァロード

第四話:「否定から始まる成長」

小屋の中にある小さな暖炉に、シ・ノヴァは火を燈した。炎は瞬く間に暖炉の中で燃え広がり、薄暗いシ・ノヴァの書斎を照らし始めた。 彼は珍しく、少し小さめだが溜息を吐き、椅子に腰掛けた。 それと同時に長老が訪れた。 「シ・ノヴァ様…こんばんは。」 シ…

第三話:「目的と事実」

アルバンドラ王国領内、テギルスの森。この場所に、見晴らしの良い丘がある。その丘にある一本の大木の根本に、シ・ノヴァへの伝達を行った使者が腰掛けていた。そこへ間も無く、一人の老人が現れた。 老人は使者に視線を合わせず、少し俯きながら話し出した…

第二話:「罪の立ち位置」

パスクァ連合諸島本島パスクァ、そこに存在する世界最古の大聖堂「クラヴァ」 そのクラヴァの地下に位置する、大広間では数人の男女が円卓を取り囲み、重い空気に包まれていた。 「ここ数年の平和は、偽りだったか…」 「大聖堂の保護を約束されたとしても、…

第一話:「愛を、知らず携えて」

「汝、忘れる事無かれ。 その時、一つ進めば真理へ近づく。」 一人の男が膨大な書物に囲まれた部屋で、一冊の本を手に取り静かにそう呟いた。腰にまで届きそうな美しい髪は、明るく紫色に輝きを放ち彼の特徴を最も表す。ツヴァイセルの世界に於いて誰もが知…