用語集 は行
人物:バルダー・ブライド
登場:第二章ヴェルバークレイ
養父アルバンドラ国王から追放を受けたミリア・ハーゲンと出会い、彼女の目的の達成の為に、道中を共にする28歳の格闘家。
ミリアの強い信念に共感し、またヴェルバークレイの『襲い来る痛み』に打ち勝とうとする姿を自身に重ね、彼女に忠誠を誓う。
人物:ビーディッド
登場:第四章トレンドラード
終末思想を原典とする組織チェスコの闇達の首領。
神々の時計トレンドラードが徐々に世界崩壊への針へと進む事を粛々と受け容れ、各々が美しい思いと共に自決する事を信念とし、伝導すべく各地の旅先で出会った者達が共感し、自身が首領となりチェスコの闇達を結成した。
飲料:ベリアニー
登場:全章
ツヴァイセル最北端に位置する小国プラステスにて作られる蒸留酒。
極寒の地である同国に於いて、アルコール度数の高いプラステスは身体を温める必需品であると共に、その度数の高さのアルコールは他国では珍しい事もあり、世界的に人気の蒸留酒でもある。
魔法:ボーモン式詠唱魔法
登場:全章
詠唱魔法では、初級・中級クラスに位置する。
ボーモン式を改良し威力と効果を増したエルドラ式が登場するまでは、唯一の詠唱魔法であった。
本来回復・攻撃・補助一括りにされていた為、誰にでも習得は可能な分、威力の面では若干心許ない。
術者に一定の力量があっても、その効果は常に一定である。
ボーモン式では蘇生も確率に委ねられる事が多く、命を左右する回復に於いては常に不確実性が付き纏っていた。
あらすじ・各話
あなたも、あなたを愛する私も。
今この瞬間まで、実は存在していないとしたら。
全ての始まりが、思い始めた今だとしたら。
あなたの記憶も嘘だとしたら。
あなたが愛する私の記憶も、嘘だとしたら。
でも、その嘘があなたを愛する誰かの愛だとすれば。
でも、それはあなたにとって愛だろうか。
- ツヴァイセルの世界 -
未熟な人類が争いと沈黙を繰り返す世界、ツヴァイセル。
この世界で最大の国家を有するアルバンドラ王国は、更なる領地拡大を目指し各国へ侵攻を開始した。
日々激化するアルバンドラ王国軍の侵攻は大多数の命を奪い、次々に植民地化して行く。
そこへ一人の魔導士が、この凄惨な状況に置かれる弱者を保護する為に、世界救護団体ウェオーを設立すべく、アルバンドラ国王との交渉に赴いた。
魔導士の名はシ・ノヴァ。
世界最強と謳われる彼はその実力を以てして和平条約を結び、難民保護施設大聖堂の建設を開始した。
そこへ賛同する、シスター・イシェルハと剣士ドルドラ。
この三者の思惑はウェオーの立ち位置をやがて三者三様とし、その行き違いが世界に類を見ない恐怖へ陥れる事となる。
戦況はさらに激化しシ・ノヴァは罠に陥りその命を落としかけたその時、彼に囁く者が居た。
「まだ、千年の時は迎えておらず、諦める事なかれ」と。
ツヴァイセルの世界に伝わる神々の記録「原典」
それによれば、この世界は二神一体の神ツヴァイセルと7人の神官により産み出し見守られ、人類の繁栄の終着を腐敗とし、千年の後に世界を浄化する為に、創造主が現れると言う。
シ・ノヴァに囁くその声と、千年の言葉の意味を共に今紐解き始める。
「第一章 パスクァロード」
ツヴァイセル最大の国家アルバンドラ王国。
アルバンドラ王国軍の侵略から難民を保護すべく立ち上がったシ・ノヴァを取り巻く最初の物語。
タイトルのパスクァロードはツヴァイセル最南端に位置する、パスクァ連合諸島が
干潮時に道の様に繋がる事から、ロードの名が付きやがて別称として呼ばれる。
「第二章 ヴェルバークレイ」
それ自体が神とされる剣ヴェルバークレイを主軸にアルバンドラ国王と、養女ミリア・ハーゲンの間に繰り広げられる確執の物語。
剣士として反乱軍に身を置くミリア・ハーゲンは信念を持って突き進める戦いと共に、その与えた傷を自身で身をもって痛感する。
壮絶な痛みと共に、その信念は正気を保ちそれでも平和の為に戦うか。
「第三章 ネイベリート」
運命の悪戯により、対峙する事となった幼馴染のサンディオーネとシェロ。
二人は神から授かると言われる精神召喚魔法ネイベリートを操り、自身の思いを怒りに変え世界を恐怖に陥れて行く。
精神と魂を呼び出し贄とする召喚魔法ネイベリートは何故生まれたか、二人は命を落とすその時、身を以て知る事となる。
「第四章 トレンドラード」
シン・ブラン・ドルバで静かに時を刻む、神々の時計トレンドラード
この世界が出来た時に、七人の神官が大聖堂を作りこの世界の為に安置したとされる世界時計。そしてここから世界は生まれたと伝えられる。
近づく事も、触れる事も許されずにただ時を刻み続ける
その時計の謎が明かされだす時、シ・ノヴァと世界の生い立ちの真実が垣間見えだす。
ツヴァイセルの世界の謎に近づく物語。
「最終章 シン・ブラン・ドルバ」
世界は千年に近づき、トレンドラードは静かに終わりへの時を刻み続ける。
この場所で彼は気付くだろうか、約束を。
無限邂逅、生きる者全ての儚き思いはやがて世界の終末を迎える。
世界の始まり、闇に浮かぶ大聖堂。
そこより世界は生まれ、千年の時を歩み始めた。
始まりの場所の名はシン・ブラン・トルバ。
都度世界は生まれ、その世界を渡り歩く者が最後に下す決断は。
用語集 か行
国家:海上都市マハドーラ
登場:全章
アルバンドラ大陸とパスクァ連合諸島直線上の中心部に存在する都市。
サルビア•マハドーラが無人島であった島を開拓し、最初の首長に就任しその名を都市の名前とした。都市とはあるが、独立国家であり代々マハドーラ家が統治する。
特徴として、魔道士家系の人口が多く魔道要塞の異名を持つ。
施設:クラヴァ
登場:全章
パスクァ連合諸島中心に位置する統治国家アディリーンに存在する大聖堂。
歴史的建造物ではあるが、内部には世界で唯一の永久結界が存在する。
この永久結界は大聖堂クラヴァの原典に記述されており、遥か昔処刑の為に利用されたと言う。
一切の解明が出来ない構造で直径五メートル程の大穴の中は光り輝き、その真上は歩く事が可能であり、落ちる事も無い。
第二章以降では真上から覗くと、浮遊し続けるシ・ノヴァを視認する事が出来る。
構造の不明もさる事ながら、どの様に永久結界に封じ込める事が出来るのかすら未だ不明。
用語集 さ行
戦争:サルブート大戦
登場:第一章パスクァロード
シ・ノヴァ率いる施設軍隊アルラビスの高貴と、アルバンドラ連合軍による戦争。
戦争の舞台となった、アルバンドラ王国サルブート表山脈よりその名が付く。
人物:シスター・イシェルハ
登場:第一章、第二章、最終章
パスクァ連合諸島大聖堂にて、シ・ノヴァの世話役となる。
シ・ノヴァに強く共感し、大聖堂の建設と難民救護に尽力するが、やがて決裂。
しかしドルドラの謀反により彼女は殺害、協定を反故にされドルドラに裏切られたシ・ノヴァがチェスコの闇達を率いて、最終的に第一次サルブート大戦が勃発する要因となる。
人物:シスター•サンディオーネ
登場:第三章ネイベリート
精神召喚魔法ネイベリートの使い手。
大聖堂修練生として17歳を迎えたその夜、神からの啓示を受けネイベリートとしての力を手にする。
それと同じくして幼馴染のシェロ・ルクレインもネイベリートとしての力を神より授かる。
最終的に二人は対峙し、やがて歴史上最大の戦争であるサルブート大戦に発展する。
人物:シ•ノヴァ
登場:全章
第一章より最終章までを通してのツヴァイセルサーガ主人公。
自他共に世界最強と認める魔導師、その出自は一切不明で本人も語る事は無い。
従来の詠唱魔法ボーモン式を更に改良した強力な魔法であるエルドラ式の発明、世界救護団体ウェオー設立等その功績は多数にわたるが最終的に罠に嵌り、大聖堂クラヴァ永久結界に幽閉されることとなる。
過去には国家間での争いが頻発していたツヴァイセルの世界を単独で渡り歩き、その力を盾に各国へ和平を迫り歩いていた。
世界的な争いも落ち着いた頃、旧知である長老を伝手にパスクァロードへ居を移した。
受け容れてくれた恩返しとして様々な学問や魔法を、老若男女問わずに日々教えている。
大聖堂のシスターであるイシェルハはその目付け役として立候補し選ばれた。
この二人の出会いが、世界を幾度もの『破壊と再生』へ導き、そうしてそれが世界の真実を暴く事になる。
人物:シェロ•ルクレイン
登場:第三章ネイベリート
精神召喚魔法ネイベリートの使い手であり、第三章主人公シスター•サンディオーネの幼馴染。サンディオーネと共にネイベリートの使い手として神より啓示を受けるも、その神々の盟約に則り、サンディオーネと激しい争いを行う運命となる。
最終的には自決の道を選ぶ。
施設:シン•ブラン•トルバ
登場:全章
神々の時計トレンドラードが設置される大聖堂。
原典の記述によれば、はるか太古よりこの場所に安置され時を刻んでいるとの事。
その盤面の配置は自由に動かす事が可能ではあるが、その配置の意味は一切不明であり、世界が消滅する可能性は十二分に存在する。第四章にてこの時計の謎を巡る物語が繰り広げられる。
組織:世界救護団体ウェオー
登場:第一章
シ・ノヴァを筆頭に、イシェルハ、ドルドラの三名がアルバンドラ王国侵攻軍より難民を保護する為に設立した救護組織。
アルバンドラ王国との協定により、難民の保護を主体に設立、侵略戦争への加担及び手助けはしない約束により、各国に難民保護施設大聖堂を建設する。
用語集 あ行
歴史:雨降る白夜
登場:第一章パスクァロード
アルバンドラ王国が侵略戦争を開始した当時の天候をそのまま、歴史上の名称にした。
名称:アルディア•ツヴァイセル
登場:全章
全能の神でありこの世界の全てを統べる。
その姿は一つの姿に男の神と女の神の二人が宿る。
千年毎に星を産み出し、千年を迎えた後消滅させる。
産み出した人々の争い、腐敗を浄化させる役割を担う。
国家:アルバンドラ王国
登場:全章
ツヴァイセルに於いて最大の大陸となる、サルブート大陸に位置する国家。
大陸中央をサルブート山脈が連なる。
アルバンドラ王国は、ニューバ家が代々支配する世襲制。
武器:ヴェルバークレイ
登場:第二章ヴェルバークレイ
注釈:千年紀最後の日に、生き物全てを裁く神の化身
伝説の剣士アデルニクスが携えたと伝わる剣。
この剣自体が神であり、アルバンドラ王国に代々神器として伝わりミリア•ハーゲンが国王候補として正式に決定したその日、法典に則りその剣はミリア•ハーゲンに手渡された。
ヴェルバークレイはその斬りつけた箇所で一番多い部分の痛みを、携える者に分け与える。この分け与えられる痛みは、戦う都度では無くある時に十分な痛みとして携える者に襲いかかる。
その理由は本編で明かされるが、ヴェルバークレイ自体もアルディア・ツヴァイセルに携わる神であり、腐敗を浄化する役目を持つ。但し、ミリア・ハーゲンに手渡されるには、必然的な運命と理由があった。
名称:永久結界
登場:全章
パスクァ連合諸島大聖堂クラヴァに存在する結界。
クラヴァ内部に存在し、直径5メートル程の光輝く穴。
シ•ノヴァの遺体はここへ幽閉されている。
クラヴァ原典の記述によれば意識は保たれたままに、この世界の終わる日まで永久に光の中を落下し続けると記述されている。
この大聖堂内にある永久結界は、大聖堂の建築以前より存在する。
クラヴァ原典には伝説上の話として幽閉された者に関しての記述はあるが、大聖堂の建設に至るまでの記述は一切不明。
魔法:エルドラ式詠唱魔法
登場:全章
注釈:ボーモン式詠唱魔法を改良した、上級詠唱魔法
従来の詠唱魔法であるボーモン式を、シ・ノヴァが改良した上級に位置する詠唱魔法。
ボーモン式では威力は術者の実力に関わらず、一定の効果しか発揮出来なかったが、改良により術者の実力と効果が比例する様になった。
また、ボーモン式では回復・攻撃・補助が一体であったのに対して、エルドラ式では全て分割され、各々の習得が必要になった。また威力が増した分、習得が難しくなり、完全に扱える術者はまだ少ない。
エルドラ式では詠唱を全て分離する事により個々の能力と質を高め、特に回復系の魔法では確実性がボーモン式よりも増し、術者の実力に比例する効果が得られる事となった。